高専卒なら社会はイージーモード?研究所でS評価をもらった私が感じる高専の強さ
先日、高専卒業生が企業から高く評価されているという記事を目にしました。
近年は技術者不足もあり、高専生への注目が高まっています。 私自身も高専卒で、高専卒業後に大学へ編入し、その後は研究所で勤務しました。 そして研究所では最高評価であるS評価をいただくことができました。
もちろん、高専を卒業したからS評価をもらえたわけではありません。 しかし振り返ると、高専で鍛えられた経験が社会人生活の大きな土台になっていたと感じています。
正直、社会人になったときにこう思いました。
「あれ?社会人の方が高専より楽かもしれない。」
もちろん仕事は大変です。責任もあります。 しかし高専時代に経験した数々の理不尽や厳しさを思い返すと、社会人になってからの苦労にも冷静に対応できている自分がいました。
今回は、高専卒の私が感じる「高専が社会で評価される本当の理由」をお話しします。
高専は想像以上に厳しい環境だった
高専というと自由な学校というイメージを持つ人もいるかもしれません。 しかし実際はかなり厳しい環境でした。
先生方が求めるレベルは高く、提出物にも妥協は許されません。 レポートを提出しても、
- 考察不足
- 測定方法がおかしい
- 計算ミス
- やり直し
と突き返されることは珍しくありません。 提出して終わりではなく、合格点に達するまで修正が続きます。
また、先輩後輩の関係もありました。 礼儀やルールも厳しく、当時は大変だと感じることも多かったです。
しかし今思えば、その経験のおかげで指摘を受けても感情的にならず、改善する習慣が身についたのだと思います。
口だけでは卒業できない
高専最大の特徴は「手を動かすこと」です。 理論を学ぶだけではありません。
- 実験する
- 測定する
- 装置を組み立てる
- プログラムを書く
- データを整理する
- レポートを書く
そして先生に提出する。 もちろん一発で通ることは少なく、修正して再提出。また修正して再提出。 この繰り返しです。
口だけで説明できても評価されません。 実際に結果を出し、その結果をデータで説明できなければ単位はもらえません。
締切前には深夜までレポートを書くこともありました。 「今日は寝られないな」 そんな日も決して珍しくありませんでした。
しかし社会に出てから気付きます。 仕事でも同じなのです。
会議で良いことを言うだけでは評価されません。 実際にやる。結果を出す。データで説明する。
高専では学生時代からその訓練を何年も積み重ねています。 研究所で仕事をしていた時も、 「まずやってみる」 「データを取る」 「結果で説明する」 という高専時代の考え方がそのまま通用しました。
仲良くできないと生き残れない
私が最も高専らしいと思うのがこれです。
高専は5年間同じ仲間と過ごすことが多くあります。 そして課題の量がとにかく多い。
実験。製作。レポート。試験。卒業研究。 一人で戦うにはあまりにも強大な壁が何度も現れます。
だから自然と仲間との協力が必要になります。
分からない問題を教え合う。 実験が失敗した原因を一緒に考える。 締切前に協力してレポートを仕上げる。
高専生活はまるで協力プレイのゲームでした。 ラスボス級の課題や理不尽な締切に対して、仲間とパーティーを組んで立ち向かう感覚です。
だからこそ高専卒はチームで動くことに慣れています。 社会に出ても仕事は一人ではできません。
技術力だけではなく、協調性やコミュニケーション能力も求められます。 高専では学生時代から自然とその力が鍛えられているのです。
研究所でS評価をもらえた理由
研究所で勤務していた頃、私は幸運にもS評価をいただくことができました。
もちろん私一人の力ではありません。 上司や同僚、多くの方々の支えがあったからこその結果です。
しかし振り返ると、高専時代に身につけた力が大きな武器になっていました。
- 厳しい指摘を受けても改善できる
- まず手を動かして検証する
- データで説明する
- 仲間と協力して問題を解決する
これらは研究所で評価された能力でもあり、高専で毎日のように鍛えられていた能力でもあります。 社会人になって突然身についたわけではありません。
高専で過ごした5年間が土台になっていたのだと思います。
高専は進学先ではなく成長する場所
高専は決して楽な学校ではありません。 課題は多い。実験も多い。レポートも多い。 正直、大変です。
しかし、その環境だからこそ成長できます。 専門知識だけではありません。
- 行動力
- 問題解決能力
- チームワーク
- 継続力
- 実践力
こうした力を15歳から20歳という若い時期に身につけられることこそ、高専最大の価値だと私は思います。
まとめ
高専卒が評価される理由は専門知識だけではありません。
厳しい環境で鍛えられ、手を動かし、仲間と協力して壁を乗り越える。 その経験が社会に出てから大きな武器になります。
私自身、研究所でS評価をいただけた背景には、高専で身につけた考え方や行動力があったと感じています。
もし高専への進学を考えている学生や保護者の方がいるなら、私は胸を張ってこう言います。
「高専は大変。でも、その経験は一生の財産になる。」
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